秋篠宮家の長女眞子さんは10月26日、小室圭さんと結婚し、皇室を離れた。弁護士の堀新さんは「皇室存続のため『女性宮家』や『皇女』などが議論されているが、そもそも皇室の存在意義について考えるべきではないか。皇族にこれ以上の犠牲を強いるべきではない」という――。
減少していく皇族にのしかかる公務
10月26日に眞子内親王が結婚して小室眞子さんとなり、これによって皇族が1人減少して、現時点での皇室の人数は17人になりました。
このようにどんどん皇族が少なくなっていくことから、現在皇室が行っている公務の担い手が足りなくなるのではないかという議論が続いています。
女性皇族が結婚しても皇族にとどまる「女性宮家」や、結婚して一般人になった女性にも公務をしてもらう「皇女」制度などの案も話題になっています。
また眞子さんの妹の佳子内親王に対する公務の期待が高まる一方で、負担が重すぎるのではないかという懸念の声もあがっているところです。
そこで今回の記事では、皇室の仕事について考えてみることにしましょう。
天皇の「慰問」や「慰霊の旅」は義務ではない
まず、天皇の仕事は何でしょうか。天皇は、日本国および日本国民統合の象徴とされていますが、具体的な仕事としては何を行うのでしょうか。
法的に明確に決められているのは、憲法上の「国事行為」だけです。
憲法では国事行為として、内閣総理大臣の任命、国会の召集、法律の公布などが定められています。もちろんこれらの国事行為をする際に、天皇自身が政治的判断を行うことはできません。
これら「国事行為」以外に、外国訪問、被災地の慰問や大戦の慰霊の旅などの「公務」(これは「公的行為」とも呼ばれることがあります)も天皇は行っています。これらは特に憲法にも法律にも何の規定もありません。