2通の辞表にも音沙汰なし

大手機械メーカー 課長クラス 寺田康司(仮名) 51歳●突然言い渡された異動先は、進出必至の成長地域とはいえ、まったく土地勘のないアジア某所。SARSや鳥インフルエンザが話題で、「正直、行きたくなかった」と呟く。実に温厚で几帳面、事実関係の説明も丁寧。常識外れの上司の言動はさぞ苦痛だったろう。

「異動に関する情報をいかに早く掴むか。そうしないと、自分を守れません」

大手機械メーカー東京本社に勤める寺田康司さん(仮名、51歳)は、数年前に突然、アジア南部の辺境地に回された苦い経験がある。数カ国語を操り、これまで赴任した経験のある欧州や南北アメリカとは、いささか勝手が違ったようだ。