※本稿は、平石直之『超ファシリテーション力』(アスコム)の一部を再編集したものです。
会議の成否は進行役が握っている
みなさま、こんにちは。『ABEMA Prime』(通称アベプラ)の進行を担当している、テレビ朝日アナウンサー・平石直之です。「アベプラ」は午後9時から毎日2時間の生放送。番組を進行し、議論をファシリテートしていくのが私の役目です。
分厚い台本はありますが、そのとおりに番組が進んでいくことのほうがまれです。それもそのはずで、出演者のひろゆきさんをはじめとした、各界や各世代を代表する方たちが、テーマに則したゲストを交えて、喧々諤々の意見を繰り広げるからです。
これまで岸田総理や、分科会の尾身会長などにもご出演頂きましたが、議論が脱線したり、リモート出演のゲストが突然つながらなくなったり、出演者同士でケンカが始まったりと、予想外の展開が次々に巻き起こってきました。
いまでこそ、日々の番組での仕事ぶりを見ている方々から「猛獣使い」などと言っていただけるようになりましたが、もともと私は自分から場を仕切っていくタイプの人間ではありません。
仕切りが悪ければチームに悪影響を及ぼす
ですが、アナウンサーとしてテレビ朝日に入社してからは、会議に参加したり、記者会見を取材する機会も多く、司会者がダラダラと話すのを聞かされて退屈な思いをしたり、時間が大幅にオーバーしたり、結論が出ないどころか罵り合いになって、後味の悪い終わり方をする場面を何度も経験してきました。
仕切りの悪さが組織やチームにもたらす影響を、さまざまな場面で目の当たりにしてきたのです。
そうした経験から、「円滑なコミュニケーションを促す人=ファシリテーター」の存在がいかに重要であるかに気づきました。
私がたどり着いたファシリテーションのノウハウは、議論を有意義なものにするだけでなく、会議やミーティングでの困りごとの解決から、メンバー間のコミュニケーションを深めたり、やる気を引き出したり、チームの一体感を醸成することにも役に立つと考えています。
今回は拙著『超ファシリテーション力』の中から、「場を乱す困った人を気持ちよくフェードアウトさせる方法」をテーマに解説いたします。