「もともとの美醜」より「見た目の若々しさ」が大事

私自身、20年前まで、不摂生とストレスから今よりも15kgも太っていたうえ、実際の年齢よりもずっと老けて見られていました。現在58歳ですが、身長173cm、体重は64kg、体脂肪率10%、血管年齢は28歳です。今のほうが見た目も血管年齢も気持ちも、自分ではずっと若々しいと自負しています。

みなさんも、もしかしたらお気づきかもしれませんが──年齢を重ねるほど、「もともとの美醜」よりも「見た目の若々しさ」を保つことの価値が上がってきます。

「その年齢にぜんぜん見えない! 若いですね」と言われることが、最上の褒め言葉になるのです。

50代になって心から実感するのは、実年齢が増すほど、見た目の若さを保つことで気持ちも若く、ポジティブでいられる、ということです。毎日ががぜん楽しくなるので、「また太って老け込んだ自分に戻りたくない!」と、若さを保つための努力が苦にならなくなります。

「老け顔」の原因も血管の老化かもしれない

20代、30代、40代と年を重ね、ふと鏡に映った自分の顔を見て、しわやたるみなどの老化の“しるし”に気づいたとき──いくつであっても、思わず「老けたなあ……」とため息をつき、落ち込んでしまいますよね。

実は、人の第一印象を決め、見た目年齢に最も影響する「顔の老化」は、体内の血管が老化することから始まります。

私の病院の患者さんでも、血管年齢が高い人ほど、顔にはしみ、しわ、たるみが目立ち、実年齢よりも老けて見えることがほとんどです。

それを医学的に明らかにしたデータもあります。抗加齢皮膚ドックを受診した273人の血管年齢と実年齢の関係を調べたところ、血管が若いほど見た目も若く、血管が老化しているほど見た目にも老化していることが確かめられたのです(愛媛大学医学部附属病院調べ)。