甘いコーヒー、朝の菓子パンを好む人の「糖化」「酸化」リスク
血管を若返らせるためには、血管を劣化させるような習慣をまずは改める必要があります。それを大前提にすることで初めて、血管の数としなやかさを保つための施策が効果を現します。
血管にダメージを与えて老化させる大きな要因は2つあり、1つは「糖化」、もう1つは「酸化」です。それぞれについて、説明していきましょう。
「老いる人の習慣」としてよくあるのが、次の3つです。
1.「コーヒー、紅茶には砂糖を欠かさない」
2.「購入するペットボトルは甘い清涼飲料水」
3.「朝食は、頭の働きをよくするために甘い菓子パンを食べる」
なぜこれで老いるのかというと、この行動はすべて、血糖値を急激に上げて血管を「酸化」させてしまうからです。
血管をボロボロにする「血糖値スパイク」と「活性酸素」
砂糖や清涼飲料水、菓子パンには多くの糖質が含まれていることは、みなさんすでにご存じかと思います。
血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の量を示すものです。食事で摂取された糖質が消化・分解されるとブドウ糖となって血管内に送り込まれるため、血糖値が上がります。すると、すい臓から「インスリン」という血糖値を下げる働きをするホルモンが分泌されます。
このとき、多量の糖質を一気に摂ることで、血糖値の上がり方も急激になります。すると分泌されるインスリンの量も増えるため、今度は一気に血糖値が下がりやすくなります。
このように、短時間のうちに血糖値の乱高下が起こることを「血糖値スパイク」といいます。
この血糖値スパイクが繰り返されることで、血管内の細胞には大量の「活性酸素」が発生することが分かっています。活性酸素は細胞を強力に酸化させ、ボロボロに傷つけ、劣化させてしまうことで知られていますね。
血管が傷つく、傷ついた血管が修復される……この繰り返しで、血管内の壁は徐々に分厚さを増し、動脈硬化の原因となっていくのです。