運動不足も腸の健康に影響する

最後に運動です。スマホなどの普及と交通機関の発達、エレベーターやエスカレーターの普及などに伴って、私たち現代人は日常の活動量が激減しています。それに伴って、姿勢が崩れ、大腸などの内臓を支える骨盤底筋群をはじめとする下半身の筋肉が衰えて、内臓を本来の正しい位置にキープすることが難しくなっています。

大久保政雄『大腸がんで死にたくなければ腸のむくみをとりなさい!』(すばる舎)

健康状態に問題のない人であれば、まず1日30分程度のウォーキングを日課にすることから始めてみてください。背筋を伸ばして、大股で腕を大きく振って歩きましょう。腕を振ることによって、お腹の上下運動にひねり運動が加わり、腸の動きがよくなります。膝や腰が痛い人は、プールの中で行う「水中ウォーキング」も効果的でしょう。

日本人の二人に一人が、がんにかかる時代になりました。そのトップである「大腸がん」の重大リスクには、大腸の粘膜に軽い炎症が続くことによって起きる「腸のむくみ」があるのです。不摂生を避けて腸内環境を整えることができれば、むくみは必ず治まります。そして、便通の異常やおなかの違和感、軽い痛みなどを感じたら、軽視せずに消化器内科専門医を受診することをお奨めします。

【関連記事】
「野菜たっぷりなら良いわけではない」糖尿病患者にほぼ確実に不足している"ある食べ物"
「体が弱った時には生魚と生卵がいい」腸の免疫力向上に欠かせない最重要エネルギー源
「整形外科に行っても慢性腰痛は治らない」痛みの専門医が断言する"これだけの理由"
体重が減らない原因は"動物歩き"にあった…「やせる3拍子ウォーク」3つのポイント
酒の"ちゃんぽん"が悪い、汗をかいて酒を抜く…肝臓専門医が解説する「二日酔いの大誤解」