どこに行くかわからない大阪環状線1番ホーム
続いての難敵は、ソフト面の問題だ。
大阪駅のホームは1・2番線が大阪環状線、それ以外は東海道本線(神戸線・京都線)が使用しており、3~6番線が神戸方面の下り、7~11番線が京都方面の上りだ。
難題は1番線ホームだ。大阪環状線は実に複雑な路線で、環状周回する列車以外にも、西九条駅で分岐する桜島線(ゆめ咲線)と、天王寺駅で分岐する関西本線(大和路線)・阪和線が乗り入れている。
2番線に発着する外回りは、全列車が周回運転か天王寺駅止まりなので問題ないのだが、内回りの1番線にはさまざまな行き先の列車が発着する。
東京地区でも、湘南新宿ラインと上野東京ラインという名称で相互直通運転が始まって以来、同一のホームに複数の方面へ向かう列車が発着するようになった。
池袋・渋谷・新宿では、北が埼京線、東北本線(宇都宮線)と高崎線、南がりんかい線、東海道線、横須賀線、相鉄直通線へと向かっている。上野・東京・品川では、北が埼京線、東北本線、高崎線と常磐線、南は東海道線へ向かう。
大阪駅では、一つのホームに四つの路線が発着している。しかも大和路快速・紀州路快速・関空快速・快速は途中の野田駅・芦原橋駅・今宮駅を通過する。大和路線は区間快速のみ、この3駅を通過しないから、なおさらややこしい。
初めて大阪駅へ行く人は、1番線は魔境だということを覚えておきたい。
密集、混雑度で東京の比ではない梅田地下街
梅田が恐ろしいのは、駅の外にも地下迷宮が広がっているところだ。周辺には御堂筋や新御堂筋、扇町通や曽根崎通といった幅の広い幹線道路が通っているため、地上は基本的に車が優先の構造だ。JR線が高架なので、空中をデッキで接続するのも限界がある。必然的に、歩行者の主要ルートは地下となる。
梅田の地下道が迷宮である理由の第一は、とにかく範囲が広いことだ。東は新御堂筋の曽根崎東交差点、西は西梅田公園付近、南は渡辺橋付近、北は阪急大阪梅田駅の地下まで広がっている。
「ホワイティうめだ」と「ディアモール大阪」の二大地下街をはじめ、「ドージマ地下センター」や「ekimo梅田」など多様な地下街があり、阪急うめだ本店や阪神梅田本店、大丸梅田店のデパ地下や、阪急三番街やルクア大阪、グランフロント大阪などの商業施設や複合施設の地下部分ともつながっている。
実は、地下通路がつながっている範囲は、東京駅や新宿駅のほうが広い。梅田は東西方向、南北方向とも、端から端までの直線距離は1.3kmほどで、隣の駅までつながっているわけでもない。地下街のトータルの店舗面積も、東京や名古屋の地下街に比べれば広くない。
だが、これは大阪の地下街は店舗の奥行きがなく、小規模な店舗が密集していることが原因だ。地下通路の両側には間断なく店舗が並んでおり、混雑度は東京駅や新宿駅の比ではない。