話がうまい人と下手な人はどこに違いがあるのか。『心をつかむ話し方 無敵の法則』(アスコム)を出した放送作家の野呂エイシロウさんは「話がつまらない人ほど自分の話をしている。大切なのは相手の話を肯定し、共感することだ」という——。
どんなときも一言目は「そうですね」と言うべき
あなたは次のような会話を見て、どう思いますか? なんてことのない会話ですが、AさんからするとBさんは「超つまんない人」かもしれません。
A「ここのラーメン美味しかったね」
B「私には少し味が濃かったかな。もっと君の好きそうな店知ってるけど、今度行こうか」
A「あの俳優さん素敵だよね」
B「うーん、相手の女優さんのほうが演技はよかったけどね」
Bさんに悪気はなくても、なんだかモヤモヤします。Aさんの意見を否定するニュアンスがあるからです。
話の上手な人は、相手の意見がどんな内容でも、難しくてもくだらなくても、もちろん自分の意見と合っていようといまいと、まずはきちんと聞いて受け止めます。
シチュエーションも、相手との関わり方も一切関係ありません。改まった会議であろうと、打ち解けた飲み会であろうと、友達と遊んでいるときも愛する人とデートのときも、子どもでもお年寄りでも、みな共通です。どんなことを問われても一言目は「そうですね」とか、「そうだね」になるのです。
もちろん自分の考えを伝えたいときはあります。そんなときは、まず肯定したあとで、「でも私は……」という風につなげばいいだけです。