重要なのは「まずは共感すること」
大差ないように思えるかもしれませんが、まず肯定するだけで相手の受ける印象は大違いです。ポイントは「あなたの意見はその通りですね。でも、こんな考え方もありますよ」という、両方を活かした言い方にすること。
たとえ相手が間違っていると思っても、まず「そうだね」と言うちょっとした気づかいが実は重要です。
そもそも僕は、ビジネスでも恋愛でも、正解は多数存在していると思っています。もちろん、法律を反するようなことは論外ですが、そうでない限り、どんな考え方もそれなりに正解なのです。
自分のほうが100%絶対に正しいと決めつけるのは、だいたい思い込み。会話でそれを押し付けたところで相手の気分を害するリスクを犯すだけです。
心をつかみたいのなら、自分の正しさや凄さをアピールする前に、まず共感することです。
「ねえ聞いてよ」と相談されたとき、どう答えるか
もう一つ、「もうこの人と話したくない」と思われる人の勘違いがあります。
会話には必ず結論がいる、と思っていること。そして、そこに行きつけないのをとても嫌がるのです。例えば次の相談のシーンを見てください。
A「ねえ聞いてよ。今日こんなことですごい怒られたんだけど。おかしくない?」
B「ああ確かに変だ。だったら次からはこうしたらどう? こんな対策はやってる?」
A「もちろんできることはやっているよ。でも不測の事態もあるし」
B「それならさ……」
仕事関係でも、男女関係でもよくあるシチュエーションです。
Bさんはちゃんと同意して、なんとか解決してあげようと対策を話し合おうとしています。しかし、だいたいこんなとき、Aさんは「もういい」となり、Bさんは「なんだよ、せっかく真剣に考えてるのに」となったりします。なんとも不幸なすれ違いです。
相談している側は、必ずしも相手に結論を求めているわけではありません。僕は、結論のない話など当たり前だと考えていますし、それどころか相手が望んでいないのであれば、結論を語らないようにしています。それでも一向に構わないのです。
自分の考えは「聞かれたら答える」
「相談に乗ってよ」と言われれば、ただ相槌を打ち、相手の話した内容をオウム返ししながら、基本的には黙って聞いているだけです。そして相手から「どうしたらいいと思いますか?」と聞かれて初めて、自分の考えや結論を言うことにしています。
話を聞いた結果、たとえ僕が100%自信がある解決策を思いついたとしても、相手から請われない限り絶対に語りません。