経済発展は“若すぎる出産”も減らしていく
なお、15〜19歳での出産は、妊産婦および乳幼児の死亡の大きな要因となるが、「2015〜2020年」の15〜19歳の出生率(この年齢の女性1000人当たりの出生数)は、「サハラ砂漠以南のアフリカ」、「中央・南アジア」、「ラテンアメリカ・カリブ」における一部の国々で依然として高水準にある。
この間に同年齢の女性が出産した子ども数はおよそ6200万人と推計されるが、「サハラ砂漠以南のアフリカ」(46%)、「中央・南アジア」(18%)、「ラテンアメリカ・カリブ」(14%)が8割を占めている。これらのエリアでも合計特殊出生率は低下していくが、出産する母親の平均年齢が上昇することも影響を及ぼす。経済発展は医療態勢の充実をもたらすだけでなく、“若すぎる出産”を減らす。それらは乳幼児の死亡率を下げ、妊娠件数そのものを減少させていく。
2050年、世界の6人に1人が高齢者になる
他方、21世紀は少子化の進行と並行して地球規模での高齢化が進む。65歳以上人口は2018年に初めて5歳未満の子どもの数を上回ったが、21世紀を通じて増加していく。2045年には15〜24歳の若者の人数も追い越す。
高齢者人口と高齢化率の推移を見ると、2020年は7億2760万6000人(9.3%)ですでに世界の11人に1人は高齢者だが、2050年には15億4885万2000人(15.9%)で、6人に1人が該当するようになる。2080年には2020年の3倍にあたる21億5490万8000人(20.2%)となり、「20%」台に突入。2100年は22.6%で、24億5666万3000人となる。
2050年にかけて「北アフリカ・西アジア」、「中央・南アジア」、「東・東南アジア」、「ラテンアメリカ・カリブ」の各地域では割合が倍増する。特に進むのが「欧州・北米」だ。2050年には26.1%となり、4人に1人が65歳以上となる。日本を含む「東・東南アジア」も23.7%である。