各国で平均寿命が延び、高齢化が進む
75歳以上の高齢者も増加傾向をたどる。2020年には2億6928万5000人(総人口の3.5%)から、2100年には13億4762万9000人(12.4%)に膨らむ。
80歳以上は2020年の1億4550万4000人から2050年には4億2636万7000人へ3倍増となる。2100年には8億8110万7000人だ。
90歳以上は、2020年には2138万7000人、2050年には7670万6000人、2100年には2億3253万9000人となる。2100年になると、100歳以上も1909万3000人(2020年は57万3000人)を数える。
世界規模で高齢化が進むのは、各国の平均寿命が延びていくからだ。「1990〜1995年」に64.56歳だった世界の平均寿命は、「2015〜2020年」に72.28歳にまで伸びた。世界の平均寿命は、「2050〜2055年」は77.35歳だ。
少子高齢化が進行すれば、勤労世代も年々減っていく
少子化と高齢化に因果関係はない。子どもが減ったから高齢者が増えたわけではないし、高齢者が増えたから子どもが生まれなくなったわけでもない。少子化が始まる要因の多くは経済の発展とともに未婚化や晩婚化が進むことにあり、高齢化が進んでいくのは経済的豊かさや医療技術の進歩で多くの人が長生きするようになったことが大きな要因だ。「少子高齢化」と一括りにして呼ぶが、全く異なる事象なのである。
ただし、この2つの異なる事象が同時に進むことで起きる変化もある。勤労世代の減少である。多くの人は、加齢に伴いどこかの時点で現役を引退する。一方、若者が減って新たに働き始める人が減るのだから、少子高齢化が始まった社会においては、勤労世代が年々減っていくのは当然の帰結である。
国連の中位推計で世界の生産年齢人口(15〜64歳)の推移を見ると、2020年の50億8354万4000人から、2050年に61億3052万3000人となって10億5000万人ほど増える。2090年に65億3630万7000人でピークを迎えるが、2100年は65億2102万6000人なので大きく減るわけではない。
しかしながら各国を見ていくと、大きく減少する国もある。世界人口第1位、第2位の中国とインドもそれに含まれる。