共働き夫婦で家事・育児をどう分担すればうまくいくのか。元外資系メーカー管理職で2児を育てながら文筆業やヨガスタジオ経営などをしている尾石晴さんは「夫婦どちら一方のみが家事・育児を担い、仕事のキャリア形成できない状態は、パートナーはその人のリソース(時間、お金、意志力など)にフリーライド(タダ乗り)しているということになります」という――。

※本稿は、尾石晴『ワーママはるのライフシフト習慣術』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。

家事を手伝わない男性に不満な女性
写真=iStock.com/takasuu
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仕事も100%、家事も100%なんて、誰もできない。だから…

共働き夫婦の苦悩とは?

共働きで子どもを育てていると、とにかく日々の「時間がないこと」にビックリします。

結婚当初は、大人2人でお互い仕事に打ち込んできた家庭でも、1人でも「子ども」という存在があると、成人するまでの間に、大きくリソース(時間、お金、意志力など)を使うようになります。夫婦は協力し合い、家事育児のリソース配分をやりくりしていかなければいけません。

子どもはかわいい。夫婦でバランス良く分担、とわかっていても、共働きの30、40代だと、仕事では中堅どころ。会社からも一番期待もされ、多忙な時期だったりするため、なかなか仕事のアクセルを緩めるのが難しかったりします。

特に、日本型企業で働いている男性社員が夫だった場合、長時間労働が前提として成り立っているケースが多くあります。子育てのため、妻の仕事のために早く帰りたいとか、仕事の予定を変更するのは難しかったり、夫のその後のキャリアに響いたり……。

「そんな会社は今後は成り立たない」なんて巷では言われますが、「じゃあ、転職しよう」と、いきなり会社を辞めるわけにもいきません。そうすると誰が家事育児を担うのか? もう1人の親である妻側が請け負わざるを得ない事態になります。

すると、いくら夫婦で話し合ったとしても、妻側のキャリアもある上に、「なんで私ばっかり」となってしまいますよね。

なんで、私があなたのキャリアのために「私の仕事を犠牲にしなければいけないの?」「2人の子どもなのに、私だけが面倒見ているの?」「私だけが家事やってるの?」と、どんどん黒い感情が湧いてきます。特に家事や育児は「何かを達成」する行為ではなく、快適な「平常状態」を維持するためのもの。仕事とは種目が違うのです。 しかも、育児は長距離走です。会社のプロジェクトと違って、1年で終わりといったゴールも見えないのです。