※本稿は、尾石晴『ワーママはるのライフシフト習慣術』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。
仕事も100%、家事も100%なんて、誰もできない。だから…
共働き夫婦の苦悩とは?
共働きで子どもを育てていると、とにかく日々の「時間がないこと」にビックリします。
結婚当初は、大人2人でお互い仕事に打ち込んできた家庭でも、1人でも「子ども」という存在があると、成人するまでの間に、大きくリソース(時間、お金、意志力など)を使うようになります。夫婦は協力し合い、家事育児のリソース配分をやりくりしていかなければいけません。
子どもはかわいい。夫婦でバランス良く分担、とわかっていても、共働きの30、40代だと、仕事では中堅どころ。会社からも一番期待もされ、多忙な時期だったりするため、なかなか仕事のアクセルを緩めるのが難しかったりします。
特に、日本型企業で働いている男性社員が夫だった場合、長時間労働が前提として成り立っているケースが多くあります。子育てのため、妻の仕事のために早く帰りたいとか、仕事の予定を変更するのは難しかったり、夫のその後のキャリアに響いたり……。
「そんな会社は今後は成り立たない」なんて巷では言われますが、「じゃあ、転職しよう」と、いきなり会社を辞めるわけにもいきません。そうすると誰が家事育児を担うのか? もう1人の親である妻側が請け負わざるを得ない事態になります。
すると、いくら夫婦で話し合ったとしても、妻側のキャリアもある上に、「なんで私ばっかり」となってしまいますよね。
なんで、私があなたのキャリアのために「私の仕事を犠牲にしなければいけないの?」「2人の子どもなのに、私だけが面倒見ているの?」「私だけが家事やってるの?」と、どんどん黒い感情が湧いてきます。特に家事や育児は「何かを達成」する行為ではなく、快適な「平常状態」を維持するためのもの。仕事とは種目が違うのです。 しかも、育児は長距離走です。会社のプロジェクトと違って、1年で終わりといったゴールも見えないのです。