掃除、洗濯、買い物……細々とした家事を効率的にやるにはどうしたらいいのか。元外資系メーカー管理職で2児を育てながら文筆業やヨガスタジオ経営などをしている尾石晴さんは「『自分と家族にとって、何が必要か、何が大事か』を知って、やる家事やらない家事を決めることで、家族の幸福度は上がる」という――。

※本稿は、尾石晴『ワーママはるのライフシフト習慣術』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。

収納
写真=iStock.com/Studio Light and Shade
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家族の幸福度を上げるために、家事の効率化の前にコレをやる

手段から入るとうまくいかない理由

家事の効率化や収納術、便利家電にライフハックを発信するSNS。これらを見て「良さそう。取り入れよう!」と思った経験はないですか?

以前の私は、これが「生活を便利にしてくれるなら」と思って、便利グッズや家事グッズを購入していました。収納は、すべて見える化してくれるようなクリアボックス、ドアにカバンをかけられるハンガー、お風呂まわりの備品を外に出しておくためのカゴなどから、野菜の皮が早くけると聞けば、それ専用の器具を買ってみたり、冷凍食品をおいしく保存できる専用の袋なども買っていました。多忙な人でも、子どもがいても「とにかく、これがあれば便利になる!」と思っていたのです。

ところが、数カ月経つと、「使わなくなった収納グッズ」が邪魔になったり、別のモノが上に置かれてスペースを取るだけで使えなくなったりと、家事効率化からほど遠くなった経験があります。

その後、私は家で快適に過ごせるようにするために、片付け収納の資格「ライフオーガナイザー1級」を取りました。そのときに気づいたのが、まず「ものを片付けよう」と思って収納グッズを買う人は、「必ず片付けがうまくいかない」ことです。

なぜかと言うと、収納グッズに合わせて、家にある物を収納したくなるので、本当に必要なものではなく、収納グッズに合わせたものが残るようになってしまうのです。

すると、大事にしているものではなく、スペースに合わせたものが良い場所を取っていき、そのためのメンテナンスが必要になったりと、工夫しているのに使いにくい、家事効率化になかなか結びつかないとなってしまいます。

私の例からも言えるように、家事効率化や家の仕組みをつくりたかったら、一番大事なのは、「自分と家族にとって、何が必要か、何が大事か」を知ることです。