夫婦でお互いのキャリアビジョンを知る

「そんなにうまくいかないよ! 夫が『先に俺がアクセルを踏む』と決めていても、数年経ったら『もっと忙しくなっちゃったから、ごめん』って言われるのでは」と心配している方もいるでしょう。

でもよく考えてみてください。

夫婦は「家族の共同プロジェクト」を回すパートナーです。共同経営者なのに、妻のキャリアを形成できない上に、フリーライドする夫が、あなたにとってベストなパートナーでしょうか?

私は離婚を勧めているのではありません。ただそれを、あなたがきっと(渋々でも)「(夫の選択に)イエス」と言うであろうと、きっとパートナーはわかっていて話をしているのではないかと思います。

その場合は、別の夫婦間問題が裏に隠れている可能性が高いので、最初の「お互いのキャリアに対してどう思っているか」、そのために「長期目線でどう役割を担っていくか」の話し合いを長めにしてみることをおすすめします。

余談ですが、私がかつて在籍していた外資系企業の社長(今は、代わってしまいましたが)は、子どもが3人いて、奥さまも企業人でした。いわゆるエリート中のエリートで、海外転勤も何カ国目のエリートです。その社長ですら、誰の助けも借りずに「家事育児」を夫婦だけで100%やるのは無理だと言っていました。

カラフルな掃除道具と、ソファにぐったりと横たわる男性
写真=iStock.com/Ivan-balvan
※写真はイメージです

「妻がキャリアのアクセルを踏んでいるときは、僕がキャリア形成を少し緩やかにして、子ども3人の送迎をしたり勉強を見たりしていたよ。逆に、僕が欧州でキャリア形成をしているときは、妻が子どもを見ていた。こんなふうに夫婦の長いキャリアを見て、キャリアのアクセルを踏む場所を、お互いで調整し合って乗り切っていけばいいんじゃないか」

と社員の前で話していた姿が、私の心に今でも残っています。

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