ベーブ・ルース以来の大記録も視野に

今シーズン、大谷選手がこのまま最後まで二刀流を続けていったら、どんな成績を残すのか。こうして年間を通して、ほぼ休みなく二刀流をやり続けるというのは初めてなので、8月に入って少し疲れが見えたようにも感じましたが、8月18日のタイガース戦では両リーグでも一番乗りで40号に到達しました。

野球
写真=iStock.com/cmcderm1
※写真はイメージです

だからバッターとしては、今年はホームランのタイトルを獲るかどうかというところになってくるのではないでしょうか。ホームラン50本、60本というところに期待したいですね。

ピッチャーとしては、後半戦は“省エネ”といいますか、打たせて取ることも意識しているように見えます。球数を抑えられている分、前半戦よりも長いイニングを投げることができているので、クオリティースタート(先発6回以上投げて自責点3以下の試合)が続いています。これは投手としての大谷選手の進化だと思いますし、8勝はチームトップの勝利数です。(8月24日現在)結局、ピッチャー専任でやっていても素晴らしい記録が出ていたんじゃないかと思っています。ベーブ・ルース以来という、同一シーズンのふた桁勝利とふた桁ホームランの記録達成を狙ってほしいですね。

大谷の活躍が「既存の野球」を変える

大谷選手のような存在が出てくることによって、野球自体も変わってきます。

今まではどんなに才能のある選手でもバッターとピッチャーの二択だったのが、大谷選手が二刀流で成功しているのを見て、今の子供たちは「こんなこともできるんだ」と思うわけです。

そんな大谷選手に憧れて野球を始める子供たちはこれからも増えていくでしょうし、野球をよく知らなくても大谷選手は好きという人も少なくないと聞きます。プロ野球における国民的スターが不在といわれる中、野球人気の陰りを抑える意味でも、今の彼の活躍は非常に大きな意味を持つと思います。

これまでの野球、メジャーリーグの歴史を考えたときに、おそらく大谷選手の活躍には、日本人以上にアメリカのファンの方が驚いていると思います。

MLBの主人公のような扱いを受けていましたし、大谷選手がやっていることというのは、それぐらいすごいことです。

私も対戦したことがあるので、おじいちゃんぐらいになったら自慢しようと思っています(笑)。国を挙げて、なんとかあの遺伝子を保存しないといけないという、今やそのぐらいのレベルの選手ですね。

(聞き手・構成=菊田康彦)
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