文政権を離れた人物が「次期大統領にふさわしい人」でトップ

産経社説より1週間前の7月7日付の読売新聞の社説は「韓国政治 若者の支持はどこに向かうか」との見出しを付け、「韓国の与野党が来年3月の大統領選に向けた動きを本格化させている。現状に不満を抱く若者には、政治の変化を求める声が強く、選挙の行方にも大きな影響を与えるだろう」と書き出し、こう指摘している。

「『次期大統領にふさわしい人』を問う最近の世論調査では、保守系の尹錫悦・前検事総長がトップだった。左派与党陣営の李在明・京畿道知事が追っている」

尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏は文在寅大統領と正面から衝突し、文政権を離れた人物として日本でもよく知られている。

読売社説は「尹氏は検事総長在任中、文在寅大統領側近の法相に対する捜査や検察改革を巡り、政権側と激しく対立し、辞任した。先月下旬に大統領選出馬を表明しており、保守系最大野党『国民の力』に入党することが有力視されている」と書き、「尹氏の人気の高さは、政権や与党に対する国民の怒りや改革への要求を反映したものといえる」と評価する。

だが、尹氏は政治家としての実績がゼロである。読売社説も「ただ、尹氏に政治経験はなく、経済・外交の力量は未知数だ。大統領を目指すに足る見識と政策を提示しなければなるまい」と指摘する。

尹氏が大統領に就任した場合、対日政策、とくに慰安婦と徴用工の問題をどう解決しようとするのか。日本政府としてはそこを見極める必要がある。

韓国では「若い有権者」が政治を動かす力を持っている

読売社説は書く。

「韓国では、18歳から20代、30代の若い有権者が政治を動かす力を持っている。街頭デモの主力となり、選挙での投票率も高い。朴槿恵(パク・クネ)前大統領を弾劾・罷免に追い込んだのもこの世代だ」

日本と違って若者が政治を動かすところが非常に興味深いし、日本の若い世代にもそうあってほしいと思う。

読売社説はさらに書く。

「4月のソウル、釜山両市長選で与党候補が惨敗したのは、政権が就職難解消や不動産価格の抑制といった公約を実現できず、若者の失望を招いたことが大きかった。大統領選に向けて、若者票の争奪戦はさらに激しくなろう」

読売社説は韓国の若者の動きに注目し、今後の日韓関係のあるべき姿を模索したいのだろう。

そんな読売社説はこう主張する。

「保守陣営は支持層の高齢化と支持率低迷に悩んできた。若い代表を据えるだけで再生は期待できまい。日米との関係を重視し、北朝鮮の脅威に毅然と対処する伝統的政策に立ち戻り、政権担当能力を示せるかどうかが問われよう」

沙鴎一歩も韓国の保守に期待している。来年3月の大統領選で保守陣営が勝利し、日韓関係の改善に向けた動きを加速させてほしい。残念ながら、韓国の反日種族主義は根深く、一朝一夕には解消できない。日本と韓国の若者たちが新たな日韓関係を築き上げていくには、まだ時間がかかるだろう。しかし、決してあきらめてはいけない。変化の兆しはある。

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