中国の婚活は信用スコアで決まる

中国が2021年5月末、「三人っ子政策」を打ち出した。一組の夫婦は3人まで子どもをもうけていいというものだ。

中国の習近平国家主席。
中国の習近平国家主席。(中国通信/時事通信フォト=写真)

私はその数日前に、中国の経営者たちに頼まれて、少子高齢化をテーマにオンラインで講演したばかりだった。日本は少子高齢化の先進国だから、参考になる話を聞きたいというのだ。中国の人口減少は、日本より速く進むと予想されている。経営者たちの危機感はかなり高いと思っていたところへ、三人っ子政策のニュースが入ってきた。

中国は2014年まで35年にわたって人口抑制のため一人っ子政策を実施していたが、少子高齢化の懸念から16年に二人っ子政策に切り替えた。その効果はあまりなく、2年くらいで多少の増分もなくなってしまったので、今回3人に増やしたのだ。

しかし、共産党政権が望む形で少子化に歯止めがかかるとは思えない。都市部に住む人たちは、昔のようにたくさん子どもが欲しいと考えていない。いまの20~30代は、自分が一人っ子政策で生まれているから、子だくさんの家庭を知らないのだ。

この一人っ子世代が抱える大きな問題点は男女比の偏りで、女性が10%ほど少ないのだ。子どもが1人なら、将来頼れる男の子がいいと、女の子が間引きされてしまったからだ。