立憲民主党の本多平直衆院議員(56歳、比例北海道ブロック)が、党法務部会の勉強会で「例えば50歳近くの自分が14歳の子と性交したら、たとえ同意があっても捕まることになる。それはおかしい」と発言した問題。本多議員はのちに発言を謝罪・撤回したが、性暴力において弱い立場の被害者に寄り添う社会の流れがあるなか、批判はいまだくすぶる。どういった状況で発せられた言葉なのか。講師として招かれた大学教授がAERA dot.の取材に応じた。
「はじめから向こうは高圧的で、私は相手に怒鳴られたと感じました。本多議員にそういう意識はなかったのかもしれませんが、後の報道において会合の座長が、議員を『興奮状態』と表現していたように、冷静にふりかえって考えてもかなりキツイ言い方でした」
このように本多議員の様子を明かすのは、講師として会合に招かれていた大阪大学大学院法学研究科の島岡まな教授(刑法)だ。不適切な発言は、5月10日に開かれた立憲民主党法務部会の「性犯罪刑法改正に関するワーキングチーム(WT)」の勉強会において、本多氏が島岡教授に向かって発した言葉だ。
WTに講師として招かれた島岡教授は、大阪からZoomで出席していた。島岡教授がその時の様子をこう話す。
「相手側である立憲民主党の議員たちは部屋に1台のPCを置いて全体を写すようにしていました。議員たちからは、PC画面に1人映し出された私の顔が見えたでしょうが、こちらからは部屋に人がポツポツといて、顔まではよく認識できない状態でした」
WTの勉強会は30分程の短時間。そのうちの15分間を島岡教授の発言時間として割り当てられていた。残り15分間の質疑応答時間は、ほとんどが本多議員の主張に費やされたという。
島岡教授によると、本多氏は「中学生と成人の間にも真剣な恋愛があり、被害と言えない場合もある」など自説を披露し、最後に「50歳近くの自分が14歳の子と性交したら、たとえ同意があっても捕まることになる。それはおかしい」と主張。さらに、「どうなんですか」と詰めるように問い、島岡教授はショックで絶句してしまったという。