「糖質オフ」で失敗する人の共通点

内臓脂肪を減らしたい、燃やしたいと思っていても、「土台」の部分がしっかりしていなければ、その目論見ははかなく消え去ります。その土台とは、本稿冒頭でも書いたように「優先順位を明確にしておく」ということです。

いわゆる糖質オフは、「引き算」に注目した食事法です。これは、糖質過多が多くの体調不良や病気を引き起こしていたためです。

水野雅登『1年で14キロ瘦せた医師が教える 医学的に内臓脂肪を落とす方法』(エクスナレッジ)
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一方、タンパク脂質食は「足し算」に注目します。というのも、糖質オフの引き算によって、体調不良を起こすことがしばしば見られたからです。

とくに、糖質オフ普及の初期に見られた「体調が悪くなった……糖質オフ危険!」という体験談は、ほぼすべて引き算による失敗から起きました。

つまり、タンパク質も脂質も足りず、長年の糖質過多によってビタミンもミネラルも足りていない状態(マイナス状態)だったところ、そこからさらに糖質を引き算してしまったことが引き起こした失敗です。

タンパク脂質食は、こういった引き算による失敗への対策です。まずは、「もともとのマイナス」から解消していくことを目指しています。

「優先順位」を取り違えると、かえって不健康になりかねません。タンパク質、脂質、鉄のどれかが欠けている状態では、代謝が回らず、十分なエネルギーが作り出せません。

つまり、「糖質オフ」の徹底は、タンパク質、脂質、鉄、ビタミン・ミネラルを満たしてからにすることが大切なのです。栄養不足のまま糖質を控え過ぎれば、エネルギー不足は避けられません。ここを絶対に間違えないようにしてください。

タンパク脂質食は内臓脂肪を燃やす効果抜群

そして、もう1つ、内臓脂肪を燃やす効果があるのが、タンパク脂質食の大きな特徴です。生きているだけでエネルギーを使うのが人間ですので、内臓脂肪を増やさずにいれば、余計な内臓脂肪はエネルギーとして消費されて減っていくことになるからです。

タンパク質
 ↓(糖新生)
血糖

この変換でエネルギーを使うというのがポイントです。糖質をとっていなければ、この糖新生のときに使うエネルギーは、内臓脂肪を燃やすことで作られるからです。

つまり、タンパク脂質食は、「内臓脂肪を増やさない」+「余っている内臓脂肪は糖新生で使われて減る」という最強の布陣なのです。

タンパク脂質食は、内臓脂肪を減らすだけでなく、健康を維持するうえでも大切になってきます。内臓脂肪が邪魔なみなさん、タンパク脂質食で、効率よく内臓脂肪を燃やしていきましょう。

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