「タンパク質そこそこ、脂質多め」を目標に

最終的には、タンパク脂質食は次のようにタンパク質そこそこ、脂質多めが安定しやすいでしょう。

■内臓脂肪減少目的で推奨される「タンパク脂質食」の摂取割合
・タンパク質:中程度
・脂質:多め
・糖質(炭水化物):少なめ(できれば、ほぼゼロ)

筋トレや有酸素運動をする場合には、その分、筋肉の回復にタンパク質を必要とするので、タンパク質を増やす必要があります。

また、スタミナを要する運動の場合には、運動の半日前と2~3時間前にとる脂質の量を増やすと、スタミナが続くようになります。

高脂質に体が慣れてくると、内臓脂肪が減るだけでなく、以下のように他にもさまざまなメリットが現れてきます。

①インスリンがほぼ出ないので脂肪細胞が太りにくくなる
②優れたエネルギー源になる
③糖質依存・甘味依存が軽減できる
④筋肉を消耗しなくなる

とるべき脂質は3種類

「脂質の種類はいろいろありすぎて何からとればいいのかわからない!」という人も多いのですが、以下の3つを押さえておくと、応用が効きます。

①血液サラサラ系:オメガ3(魚由来のDHA、EPA/オリーブオイル、アマニ油など)
②すぐエネルギーになる:MCTオイル
③ゆっくりエネルギーになる:動物性脂質(バター、生クリームなど)

血液サラサラ系のオメガ3は、肉食の人や、すでに体がボロボロになっている人には必須の脂質です。また、その他の2つの「エネルギーになる脂質」をとることで、糖質の必要量を減らし、筋肉の分解を防ぐことができます。

脂肪燃焼に必須のビタミン、ミネラルはサプリで補充

タンパク脂質食の実践には、摂取すべき重要な栄養素があります。

それは「鉄」です。鉄がなければ、内臓脂肪を燃やすことができません。脂肪を燃やしてエネルギーを産生する過程で、必ず必要になるからです。ところが、非常に重要なミネラルでありながら、日本人に不足しているケースが非常に多い栄養素です。そのため鉄のサプリメントの摂取は必須です。

その他のビタミンやミネラルについては、拙著『1年で14キロ痩せた医師が教える 医学的に内臓脂肪を落とす方法』に詳しくまとめていますので、そちらも参考にしながら不足を補うようにしてみてください。