タンパク脂質食の「脂質」って?

タンパク質の次は、タンパク脂質食の「脂質」の部分を見ていきましょう。

私が摂取を推奨している脂質は、動物性なら動物の肉や魚に含まれている脂質、ラードや牛脂、バター、生クリームなど。植物性ならオリーブオイルやココナッツオイル、MCTオイル、エゴマ油、シソ油、アマニ油などです。

脂質の中でNGにしているのは、健康を損なうリスクが高いトランス脂肪酸が多い、ホイップクリームやマーガリン、ショートニングや菜種油、キャノーラ油など、いわゆるサラダ油です。

タンパク脂質食におけるタンパク質摂取の考え方の基本は、「タンパク質不足・筋トレなどでタンパク質消費多めなら、タンパク質摂取も多め」「タンパク質が足りているなら、タンパク質摂取も少なめ」とシンプルに考えてかまいません。

一方、脂質は、もう少し調整の幅があります。

というのも、純粋な脂質のみでは太りませんが、インスリンの追加分泌が出ている状態で脂質を多くとると体脂肪になってしまうためです。適切にとるには、常に「インスリンはどうか?」ということをセットで考える必要があります。

逆に、インスリンの追加分泌がない状態なら、純粋な脂質をとっても太りません。

両手にドーナツをのせて体重計に乗る女性
写真=iStock.com/sam thomas
※写真はイメージです

脂質といっしょに何を食べるかで「太りやすさ」は激変

脂質を摂取するうえでは、一緒に何をとるかによって、内臓脂肪の付きにくさに大きな違いが出ます。「脂質+○○」の3パターンを頭に入れておきましょう。

①脂質+大量の糖質を摂取
(牛丼、カレーライス、とんこつラーメン、ショートケーキなど)
②脂質+適量のタンパク質を摂取
(鶏ももステーキのバター焼き、脂身たっぷりチャーシューなど)
③大量の脂質+大量のタンパク質を摂取
(800g超の牛ステーキバターのせ、チーズのせ特大ハンバーグなど)

糖質オフをしてタンパク質と脂質をとると、インスリンの分泌量を減らすことができます。しかし、大量のタンパク質と大量の脂質を同時にとると、痩せません。それどころか、太る可能性が高くなります。

読者の方で、もし「糖質オフをしっかりしているのに痩せない!」という方がいたら、この高タンパク&高脂質タイプの食事になっているかもしれません

なかにはBMIが30オーバーの「内臓脂肪たっぷり」体型になっている方もいるはずです。同じ量の糖質やタンパク質でも、インスリンが大量に出る「超太りやすい」タイプです。

実は、「糖質をとらないなら、肉と油はいくらでも食べていいんでしょ?」とばかりに大食いになっている方が少なくありません。当然ながら、それでは内臓脂肪は減りません。タンパク脂質食で減量できない場合は、「食べる量」を見直してみてください。