※本稿は、メンタリストDaiGo『悩む力 天才にすら勝てる考え方「クリティカル・シンキング」』(きずな出版)の一部を再編集したものです。
口がうまい人、言葉巧みな人が駆使する「人の心を操る話術」
本章のテーマは「洗脳」です。特定の話術やテクニックを使い、マインド・コントロールをおこなうため「洗脳」の技法について見ていきましょう。
洗脳とクリティカル・シンキングは一見、関係なさそうですが、その印象は大間違いです。洗脳の定義をひと言で言うと、「ものごとの見方をひとつに強制されること」だからです。
教祖の言葉だけに従うカルト宗教、トップの行動が絶対の規範になる独裁国家、暴力思想を叩き込まれるテロ組織など、偏った組織では必ず特定の方向に思考を矯正されます。そこに自分の意志が働く余地はありません。
その一方で、これまで何度もお伝えしてきたとおり、クリティカル・シンキングには「複数の視点を持つ」という要素がふくまれます。ひとつの思考にとらわれず、あらゆる方向からものごとを見つめるのがクリティカル・シンキングの大前提です。
その点で、洗脳とクリティカル・シンキングは、同じコインの表裏のような関係にあります。つまり、クリティカル・シンキングを学んでおけば、こちらを洗脳してくる相手に気づけるわけです。
「自分には洗脳など関係ない」と思われたかもしれませんが、私たちの身のまわりには洗脳があふれています。
もちろんカルト宗教や独裁国家レベルの洗脳に出くわすケースは少ないでしょうが、ネットの噂やニュースに流されたり、世の中の空気に振り回されて大事なことを決めてしまう人は少なくありません。企業マーケティングや教育の世界など、無意識に私たちの心を操ろうとする組織や団体は無数に存在します。
そこで本章本稿では、よく使われる洗脳テクニックを2つお伝えしていきます。
洗脳テクニックの存在を知っておくと、世の中の裏側が読みやすくなりますし、悪用すれば他人を思うままに動かすこともできてしまいます。くれぐれも悪用厳禁で、自分の身を守るための知恵としてお使いください。