音楽業界は、2002年以来最高益に

一方の米国では、2020年にすでに、レコード盤とCDの売上高が逆転している。

音楽業界のニュースサイト、ミュージック・ビジネス・ワールドワイドは、アメリカ・レコード協会(RIAA)からの数字として、2020年にLPとEPを合わせたレコード盤の売上高が、前年比29.2%となる6億1960万ドル(約685億円)に達したと報じた。これに対しCDは、前年比23.4%減の4億8330万ドル(約534億円)だった。米国でレコード盤がCDの売り上げを上回るのは、1986年以来だという。

2020年に米国でもっとも売れたレコード盤は、ハリー・スタイルズの『ファイン・ライン』で23万2000枚。これにビリー・アイリッシュの『WHEN WE ALL FALL ASLEEP,WHERE DO WE GO?』(19万6000枚)とクイーンの『グレイテスト・ヒッツ』(17万6000枚)が続いた。

とはいえ、売り上げ枚数に関していえば、英国同様、米国でも2020年も依然としてCDの方が多く、レコード盤の2290万枚に対し、CDは3160万枚だった。

世界の音楽業界全体でいうと、2020年は2002年以来、最高益を記録したという。英フィナンシャル・タイムズ紙によると、スポティファイやアップル・ミュージック、Deezer(ディーザー)などのストリーミング・サービスがけん引し、音楽業界全体での売上高は、前年比7.4%増の216億ドル(約2.4兆円)だった。

ストリーミング・サービスからの売り上げは、音楽業界全体の売り上げの62%を占める。中でも、レゲトン・ブームに乗って前年比で16%増となったラテンアメリカや、アジア、アフリカでの成長が著しいという。

当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら
【関連記事】
「SNSの文章はまずいから見ない」村上春樹にそう言われたSNS世代からの反論
アメリカで大人気のプロレスラーが佐々木健介とのタッグを選んだワケ
「タダ券で来る観客は、本当のファンではない」客席の空気を変えたJ2クラブの決断
「嵐ですらおじさんっぽい」イマドキの若者が"古さ"を感じる残念なSNS投稿写真
発売前からバカ売れ「ホンダの新型カブ」にバイク好きが飛びついたワケ