教育力トップの都市は、東京圏では港区、中京・関西圏では芦屋市
最後に、都道府県レベルからさらに都市レベルにまで視点を広げて、すべての町というわけにはいかないが、3大都市圏の主要な教育都市の中で教育費比率から見てどこが教育熱心かを見てみよう。
すべての町のデータについては、ここで原資料となったプレジデント社のプレジデントFamily「小学生知育大百科2021」のなかの「日本のすべての町“子育て力”グランプリ」を参照されたい。
図表6は、東京圏に属する4都県の中で教育費支出や親の学歴という2指標から主要教育都市を選び出し、この2指標のランキングを各都県内の順位で示したものである。
なお、こうした地域は高齢化比率の程度にはそれほど違いがないため、都道府県の分析のように世帯主の年齢にしばりをかけなくとも世帯当たりの教育費でほぼ地域の教育力を推し量ることが可能であろう。
なお、参考として親の学歴ランキングを同じ都市に関して示した図を併載した。これは、学歴の高い親ほど教育熱心だという一般的な傾向を踏まえた教育力ランキングである。
東京で教育費が多いのは港区、千代田区、渋谷区、中央区、目黒…
東京圏の中で教育費が大きい都市については、東京都港区(以下、東京区部については東京都を省略)が年78.7万円で断トツのトップである。
港区に続いては、やはり東京の千代田区、渋谷区、中央区、目黒区が続いており、これらに横浜市都筑区、同青葉区、さいたま市緑区、川崎市宮前区などが続いている。
東京では主要な区部に続いて武蔵野市や国分寺市などでも教育費が多くなっている。神奈川では上の都市のほか横浜市、川崎市の他区、あるいは鎌倉市などでも教育費が高くなっている。
埼玉では、やはり、さいたま市の他区、あるいは和光市、所沢市でも教育費が高くなっており、千葉では、千葉市緑区に続いて浦安市、千葉市美浜区、習志野市などでも教育費が高くなっている。
親の学歴ランキングでは、東京圏で横浜市緑区が最も高くなっており、これに東京の武蔵野市、さいたま市浦和区、東京の千代田区と続いている。千葉県では浦安市が最も高くなっている。教育費トップの港区は東京の中でも学歴ランキングでは下から3番目である。このように、必ずしも教育費と学歴は比例していない点も注目される。