郵便投票など期日前投票を行う有権者が過去最多の規模に
11月5日付の読売新聞の社説は冒頭からこう主張する。
「開票を巡る混乱が長期化し、政治空白が生じれば、悪影響は世界全体に及びかねない。公正な手続きを進め、迅速に勝敗を決してもらいたい」
見出しも「米大統領選 混乱と対立を早期に収拾せよ」である。
力は衰えつつあるとはいえ、アメリカはまだまだ「世界の警察」だ。混乱が続くと、ISIS(イスラム国)をはじめとする国際テロ組織が活動を活発化させ、多くの犠牲者が出る危険性もある。読売社説が主張するように混乱と対立を早く解消させるべきだ。
読売社説は解説する。
「米大統領選で、共和党のトランプ大統領と民主党候補のバイデン前副大統領が接戦を展開し、投票日から一夜明けても勝者が決まらない状態が続いている」
「郵便投票など期日前投票を行う有権者が過去最多の規模となり、開票作業に時間がかかっているのが一因だ。新型コロナウイルスの感染拡大という異例の事態下の選挙を象徴していると言える」
本来ならばコロナ禍での大統領選だからこそ、投開票をスムーズに進められるように民主、共和両党の候補が協力していかなければならない。トランプ氏の“勝利宣言”は、あまりにも杜撰であり、日本の同盟国のトップとして情けない。
先に「勝利」に唾を付けたほうが勝てると思っている
読売社説は指摘する。
「郵便投票について、民主党支持者が積極的に活用する傾向が目立つのに対し、トランプ氏は不正の可能性を提起してきた。勝敗を左右する接戦州の結果が不透明なのに、一方的に勝利をアピールし、開票の打ち切りを要求した」
「投票用紙の偽造や、なりすまし投票など、不正の具体的な根拠は示されていない。大統領が自ら、選挙の正当性を否定する言動は、米国の権威を落とすだけだ」
トランプ氏は先に「勝利」に唾を付けたほうが勝てると思っているのだろう。根拠のないことウソでも、百回言えば、事実のように見えてしまう。