徴用工の判決から2年が経過し、日本資産の現金化は近い

10月30日、元徴用工をめぐる裁判で韓国の大法院(最高裁)が日本企業に対し、賠償を命じた判決から丸2年を迎えた。このままでは韓国が差し押さえた日本企業の資産が現金化され、日韓関係の悪化が決定的となる。

2020年10月19日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が青瓦台で会談
写真=EPA/時事通信フォト
2020年10月19日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が青瓦台で会談

日本政府はそんな事態を食い止めなければならない。しかし、そうかと言って日本側がこれまでの主張をあらためるようなことがあってはならない。相手は反日感情を武器にする狂気の韓国大統領である。決して油断してはならない。

外交の基本は巧みに交渉を続け、自国の利益を追求するところにある。「個人対個人」ではなく、「国家対国家」の構図で向き合わなければならない。

冬季五輪の小平選手の行動に日韓関係を解決するヒントがある

ここまで書いて、2018年2月の平昌(ピョンチャン)冬季五輪のスピードスケート女子500メートルでのワンシーンを思い出した。優勝した小平奈緒選手が、韓国の李相花(イ・サンファ)選手の肩を抱きかかえながら観客の前を滑る氷上のあのシーンである。

日本だけでなく、韓国の多くのメディアも2人の友情を賛美し、氷上のシーンを大きく報じていた。テレビ画面に大きく映し出された小平選手のあの行動に冷え込んだ日韓関係を解決する大きなヒントがある。

ただ、氷上シーンは人と人との構図であり、国と国とが向かい合って国益を追及する外交の構図とは違う。その一方でともに人間の行動であることに間違いない。外交交渉も相手の考えを理解することによって、相手に自らの立場を認めてもらうことは可能だ。