今月お届けするのは、意外と見られている「ゴミの捨て方」。そんなことまでいちいちマナーを気にするなんて面倒くさい……と思うかもしれませんが、実はゴミの捨て方には、その場その場で変わるマナーの正解を常に見いだせるヒントがたくさん眠っているのです。あなたのゴミ箱は今、どんな状態ですか?
くずかご
写真=iStock.com/Floortje
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ゴミ箱の状態=素のあなた

ゴミの捨て方にはその人の生活ぶりが見て取れます。分別せずにごちゃ混ぜになっている、ゴミ箱に山盛りにしておく、捨てたつもりがゴミ箱の横に落ちている――など、自分にとっては“何げなく”、“いつもどおりに”やっているからこそ、素の姿が表れてしまうのです。

一日に何度となくやるのが「ゴミを捨てる」という行為。たいていの人がゴミ箱に捨ててそれをまとめるのがせいぜいですが、最後の最後に掃除してくれるのは、会社のゴミであれ家庭のゴミであれ、業者の人だったりします。

だからなのでしょうか、ゴミは大小にかかわらずポイッと捨てた瞬間から、その後、何があっても自分には関係のないものになってしまいます。けれど手を離れたものがその後、誰によって、どういう過程で処理されるのかを少し想像するだけで、ゴミの捨て方のマナーは思いやりのこころとなり、見ず知らずの人にまで届くはず。

エレガントな大人であれば、その意識の在りかをほんの少し先に向けることで、誰に習わずともきちんとしたマナーが身につくのです。

マナーは想像力!

「このぐらい、まあいいか」と分別しないで捨てたゴミは、誰かが分別をしています。「めんどくさいから」と洗わずに捨てたペットボトルは、誰かが洗っています。それは自身の家族やパートナーかもしれませんし、業者の人かもしれません。

とくに後者の場合は「それが仕事なのだから」と言い捨てられることが多いのが現状ですが、そのセリフを言ってもいいのは「それを仕事」としている当事者だけ。この場合は業者の人だけで、乱暴な捨て方をした当人が言うべきことではありません。

もう必要のなくなったもの=ゴミとはいえ、使った責任は捨てた人にあるはず。そう考えれば誰もが気持ちよく仕事をするために、最低限のマナーは守りたいところ。その見えない気持ちの循環が、やさしい社会をつくり、それぞれが自身の仕事にまい進できる健やかな環境をつくる第一歩になります。

このように、マナーはちょっぴり想像力を働かせることで、その都度の正解を知らなくとも、臨機応変かつスマートに正解を導き出すことができるのです。