東京からの宿泊の旅行者は「日本全体の2割」

10月1日から東京発着が「Go To トラベル」の対象になり、9月18日から旅行商品の販売が始まった。

4連休の初日となった19日朝、国内線の利用客で混み合う羽田空港第2ターミナルの出発ロビー
写真=時事通信フォト
4連休の初日となった19日朝、国内線の利用客で混み合う羽田空港第2ターミナルの出発ロビー=2020年9月19日、東京都大田区

Go To トラベルは1人1泊2万円を上限に旅行代金の最大半額を補助する制度で、政府は7月22日から46道府県でスタートさせたが、東京都内への旅行と都内に住んでいる人の旅行については感染者の再増加から対象外としてきた。

東京からの宿泊の旅行者は昨年、日本全体の2割を占めた。東京を除外したままでは観光の支援にならない。東京発着の割引の旅行商品が販売できるようになったことで、旅行を予約する人が増えている。

東京発着を認めた以上、きちんと実行するのが筋である

赤羽一嘉・国土交通相は9月18日の記者会見で「関係する事業者と旅行者の双方には、感染拡大を防止する取り組みの徹底が必要だ。最大限の協力をお願いしたい」と語るとともに「10月1日までに万が一、東京都の感染の状況がステージ3以上に引き上げられるなどの動きが出た場合には、東京発着の旅行の追加を延期するかどうか判断する。その場合のキャンセル料はGo To トラベルの事業費から補填したい」とも述べ、感染防止を優先する方針を示した。

沙鴎一歩はこの方針に疑問を感じる。東京発着を認めた以上、きちんと実行するのが筋である。実行したうえで問題があるというのなら専門家の判断を仰いで延期すればいいだろう。

たとえ感染者が増えたとしても重症者や死者がすぐに急増するわけではない。重症化しやすい感染者の特徴はすでに分かっているし、重症患者に対する治療方法も確立しつつある。4月7日に緊急事態宣言を出した第1波のころとは事情が大きく異なる。社会・経済をもとに戻すための努力を怠ってはならない。