「夫の老齢基礎年金がなくなり、妻は自分の老齢基礎年金と、夫の老齢厚生年金の4分の3に当たる遺族厚生年金を受け取ることになります。厚生労働省のモデルによる試算では、夫の生前時に一緒にもらっていた年金額を100とすると、夫の死亡後の年金額は約60に減る計算です」(藤川さん)

対策としては、受け取る年金の額に合わせて生活を楽しめるようにシフトしていこう。「私の母親は地方の山口県ですが、1人で年金の範囲内で十分に暮らしています」と藤川さんは話す。

年老いた親の介護をどうするか

人生のラストステージにやってくる「介護」についてだが、ここでは年老いた親の介護をどうするかを考えたい。

「自分たちの手元資金を充ててはいけません。親の介護は親の資金で手当てするのが鉄則です」と深野さんは釘を刺す。また、藤川さんは「親の介護のために仕事を辞める人が少なくありません。しかし、自ら収入を得る場を断ち切ると、老後資金は乏しくなる一方であり、極力避けるべきです」と言う。

「病気」についてだが、高額療養費制度があり、自己負担額の上限が抑えられる。「心配するあまり医療保険に入るのはムダです。保険金を支払う余裕があるのなら、貯蓄に回したほうがいいでしょう」と深野さんは話す。

病気は現役のビジネスパーソンもかかり、その際には住宅ローンの返済が気になる。この点に関して藤川さんは「がんと診断された場合など特定の状態になった場合に、保険金で住宅ローンが完済される特定疾病団信があり、これらを利用して対策しておくもの手です」と助言する。賢く事前に対策を打ち、後悔しないようにしたい。

藤川 太(ふじかわ・ふとし)
家計の見直し相談センター代表
1993年慶應義塾大学大学院理工学研究科修了。ファイナンシャルプランナー。15年間で2万世帯を超える家計の見直しを行う。
 

深野康彦(ふかの・やすひこ)
ファイナンシャルリサーチ代表
AFP、1級ファイナンシャルプランニング技能士。家計管理の重要性を説く。マネー商品に精通し、わかりやすい解説に定評がある。
 
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(図版作成=大橋昭一)