「トラブルが起こる前から上司と部下が頻繁にコミュニケーションをとっていれば、互いの様子がよくわかって、柔軟にアクションを変えられます。そのリズムがあると、トラブルだけでなく、トラブルになりそうなことも早めに報告できます。上司はミスや言いにくいことも発言できるような雰囲気をつくり、部下も自分の考えを普段からオープンに話す。それによってトラブルが迅速に処理しやすくなると思います」

上司に滞った返事を催促する

なかなかこない上司からの返信。催促してよいのか、するならばいつなのか、気を揉むものだ。堀内氏は催促する行為自体は問題ないと語る。

「上司の立場からすると、自分の頭から抜け落ちている案件について注意喚起してくれるわけですから、決して悪い連絡ではありません。ただし、上司の『そんな話あったっけ?』に対して、『前にメールしていますよ』という返しは、たとえ事実でも忘れていたことを咎めるようで印象がよくありません。『すみません。こちらも送りっぱなしにしていまして』『急ぎではなかったので、ちょっと放っておいたんですけど』などの前置きをすると、相手のプライドを傷つけないのでは」

そこで使い勝手のいいフレーズが、「そろそろ」である。「前に相談した件、そろそろ判断したほうがいいと思うのですが、いかがでしょうか?」のように連絡をすれば、以前とはステージが変わったため、改めて打診したニュアンスになる。相手としてもせっつかれている感覚が弱く、状況が変わったから動こうという気になって、早い反応が期待できる。

また、「早く返事をもらえませんか」などと促すだけでなく、催促の中に具体性と主体性があったほうが反応しやすいと谷本氏は指摘する。

「たとえば『○○さんがいい経験をお持ちなので、特にこうした点に関する助言がほしい』のような伝え方だと、その上司に連絡をしている意味が明確になります。さらにその先にどんなインパクトがあるのかなどを具体的に説明すれば、展望が描けるので返事が早まるかもしれません」

ビデオ会議を円滑に進める

ビデオ会議では妙な力が入り、うまく参加できないと悩む人もいる。

「参加者同士の空気が伝わりにくいビデオ会議は、通常の会議よりも集中力が必要になる場合があります。なので1つの会議は30分以内に収めるといいでしょう。また、ルールが定まっていないため、会議がうまく進まないことも。その場合、『表情を見せるためにカメラは常にオン』『聞き手はOKサインを出して反応を見せる』など、会議ごとにルールをつくると効果的です」(谷本氏)