コミュニケーションが多様化するテレワーク時代。その中で簡潔に伝える力はますます重要になる。そこで、一流企業の「伝達力」に秀でた両人に社内で活かせる技術と心得を教えてもらった。

上司に言いにくいトラブルを報告

トラブルには2種類ある。会社の利益を大きく損なうような深刻なトラブルと、最悪の場合でも怒られて頭を下げれば済む小さなトラブルだ。前者について、大和証券の堀内隆利氏は会社としての対処が必要であり、「とにかくスピード優先」と説く。

黒いスーツを着た若いビジネスウーマンはストレスを感じている。上司は、暗いトーンでオフィスの仕事の机で苦情を言います。ビジネスストレスと仕事の問題の概念。
写真=iStock.com/x-reflexnaja
※写真はイメージです

「起きたことは、少なくとも当日中に報告すべきです。何が起きたかを簡潔にまとめ、規定された対応方法を伝える必要があります。一方、自分の裁量である程度処理できる小さなトラブルは、対応方法を自分で決め、場合によっては、対応後に解決した案件として事後報告するのも手です。大事なのは、『じゃあ、どうするんだ?』という上司の疑問に答えられるか。『どうしたらいいんでしょう』という反応は、上司を失望させます。報告に加えて、『こうしたほうがよいと思います』といった提案をしたほうがいいでしょうね」

グーグルの谷本美穂氏も、ただ事象を報告するだけでなく、「そのトラブルにおいて自分は何ができるか」「上司からどんな支援をしてほしいか」など、具体性を持って相談することが効果的だという。