人は「想定外」のストレスに弱い

ストレスの強度

ストレスの強度とは、簡単に言えば、「どれだけインパクトが強いか」ということです。ストレスが予測可能で、想定範囲内のものか、あるいは想定範囲外か、想定していたものとどれだけ違うかでインパクトの強弱が決まることになります。

私たちは、ショッキングな出来事に出合っても、ある程度予測していたことであれば、それなりに耐えられます。逆に、いきなり交通事故や犯罪を目撃した場合、そのシーンが脳裏に焼きつき、強度の強い、大きなストレスとして残る可能性が大きいでしょう。

その典型が自然災害で、阪神淡路大震災や東日本大震災など、予想もできなかった大災害から、多くの人が強いストレスを感じました。私たちが全く予測していなかった、少なくとも日常生活のなかでは予想していなかった事件を目の当たりにした場合のストレス・インパクトは大きいのです。

もっと身近な例でいえば、職場で「最近、営業成績が悪いから、そろそろ部長から叱られるな」と思っているときは、叱られてもそれほどはこたえませんね。反対に、全く予想していないことでいきなり叱られたりすると、結構こたえて凹む人も多いのではないでしょうか。

つまり、私たち人間は、予想できることに関してはそれなりに身構えることができるということです。たとえば、なぐられると思った瞬間に歯を食いしばったら少しは耐えられるとか、来月が忙しくなるとわかっていたら何も知らないよりは対処できるといった具合です。

「いつからストレスを感じ始めたかわからない」は危険

ストレスの持続期間

ストレスの「持続時間・継続時間」というのは、心身の負荷となる刺激や、ストレスを感じさせる状況・環境が、いつから、どれくらい続いてきたのか、そしてこれからどれくらい続くのかを指しています。「強度」とあわせて、個々人がストレスをどれくらい大きく感じるかを測る重要な因子になります。

持続時間には2種類あって、1つは「過去からの持続」、もう1つは「未来への持続」です。

過去からの持続とは、いつからそれが続いているのかということ。たとえば、悩みを抱えていて調子が悪い人に「いつから続いているの?」と聞いたときに、「昨年の12月にこんなトラブルがあって……」とか「実は10月に部門が異動になってから」などと、具体的なエピソードが言えるなら、多くの場合、大きな問題に発展しません。

一方、問題になるのは、ストレスを感じているにもかかわらず、特別なエピソードがなく、いつからストレスを感じ始めたかわからないというケースです。このようなケースでは、残念ながらシビアな状況に陥っている可能性もあり、注意が必要です。