「終わりが見えていない」ストレスは大きな負担

2つ目の「未来への持続」は、「いつごろ、ストレスの原因となる現象は消えるのか、終わるのか」という期限のようなものです。ストレスを抱えている人に「大変な状況はいつまで続くの?」と聞いて、「今月いっぱいです」や「年度末まで」などと「終わりが見えている」答えが返ってくるなら、それほど深刻にはならないか、ある程度対処可能な場合が多いでしょう。

しかし、終わりが見えていない場合は問題です。いつまで忙しさや苦しさが続くのかわからない、今日も何時までストレス状態が続くのかわからない、さらに土日も働いているため、ストレスが延々と続いている……。こういった中断されることがないストレス状態は非常に大きな負担になり、危険な状態といえます。

「筋肉痛」を嫌がる人、喜ぶ人

ストレスを考えるにあたって、「強度」×「持続時間」という概念のほかに、もう1つ理解してほしいことがあります。

それは、ストレスというのは決してネガティブなもの、悪いものばかりではないということです。精神的・肉体的に負荷となる刺激は、どれもすべてストレスになりえますが、ストレスそのものが悪いわけではありません。

たとえば、健康管理のために週1回、ランニングや水泳をやっている方がいたとしましょう。週に1回くらいだと、どうしても筋肉痛が残ってしまうことがありますが、ここで大切なのは、筋肉痛に対してどういう感情を持つかです。

多くの人がそうかもしれませんが、まず「筋肉痛はイヤだ」という人がいます。ただし一方で、「筋肉痛が残るくらい自分に負荷をかけることができた」とポジティブに考える人も一定数いるものです。例えば、ボディービルダーといったような筋肉を強化したいと考える方なら、筋肉痛をネガティブには捉えずに、「昨日のトレーニングの効果があった」と嬉しく感じているのではないでしょうか。