なぜ娘は死ななければならなかったのか
「もし、そのときに司法の正当な裁きを受けていたら娘は今ここにいた」。なぜ娘は死ななければならなかったのか。彼はずっと考えている。そしてSNS上で「キャリーのお父さん」というアカウントを作り、米軍内での性暴力事件を中心に声を上げるようになったのだ。
ゲイリーさんの投稿を読んでいると、娘を失った深い悲しみを他の人には経験してほしくない、という思いが伝わってくる。今消息がわからないバネッサさんを探すことに、エネルギーを注げているのはそういった背景があるのだ。
性暴力、性犯罪を受けた当事者の苦しみは計り知れない。そして苦しみは当事者家族にも大きく影響する。そのトラウマは時に世代を超えることもある。ゲイリーさんは娘と同じ思いをする人が今後現れないようにと、精一杯「キャリーのお父さん」として世界に対して声を上げ続ける。
*編集部注:報道によると、その後、バネッサさんの遺体が見つかりました。また、バネッサさんの失踪と殺害に関わったみられる男性兵士も自殺しました。