ローソンがプライベートブランド(PB)のデザインを大きく変えている。店頭に並ぶ約3500点のうち、約700点を占めるPBのイメージ刷新が狙いだ。2020年中にPB全点のデザインを変える予定だが、今年2月から投入していた納豆や豆腐、食パンなど8点は、早くもデザインを再変更するという。その背景を竹増貞信社長に聞いた――。

「店舗の声」と「ネットの声」が一致した

——なぜ変えたばかりのパッケージをリニューアルするのですか。

PB商品のパッケージは、昨年の秋から徐々に切り替えていたのですが、切り替え後の商品が増えてきた5月頃になって、ネット上で「商品名がわかりにくい」という指摘が相次ぐようになりました。新しいパッケージデザインでは、納豆は「NATTO」、豆腐は「TOFU」とローマ字で書かれているのですが、それがパッと見てわかりにくいというご指摘です。

私は頻繁に店舗を訪問しているのですが、クルーさんから「今は慣れたけれど、最初の頃はどこに並べたらいいのかわからなかった」という声をいただいていました。またお客さまからも「欲しい商品がどこにあるかわからなかった」というご意見がありました。

新しいパッケージデザインとなったPBは、売り上げも好調だったのですが、店頭でも、ネット上でも、「わかりにくい」という指摘を受けたことを重く受け止めました。その結果、7月から、納豆や豆腐、それに食パンなど8点のデザインを、あらためてリニューアルすることにしました。さらに100点以上の商品でよりわかりやすいデザインにする予定です。ご不便をおかけしたお客様、クルーさんには、しっかり変えていきますとお伝えしたいです。

——ローソンの新PBのデザインは、ネット上でとても注目されました。6月9日にはニュースサイト「ハフィントンポスト」のライブ番組に竹増社長が出て、商品のリニューアルを発表されていました。異例の対応です。

この状況では、社長が出るしかありません。しっかり私が説明申し上げて、トップダウンで変更を進めていく姿勢を示したいと思いました。お客様からの声をスルーして手遅れになっては、経営として致命的です。自ら意見を聞いて、反省すべきは反省し、次のチャレンジに向かっていきたいと考えています。

新パッケージの「L basic(エル・ベーシック)」
画像提供=ローソン
新パッケージの「L basic(エル・ベーシック)」
新パッケージの「L marche(エル・マルシェ)」
画像提供=ローソン
新パッケージの「L marche(エル・マルシェ)」