シャンパンタワーのために闇金から30万円

2月の収入は80万円、3月は50万円。100万~130万円稼いでいたコロナ以前とくらべるとまさに激減となった。50万円稼げれば十分じゃないかと思うが、舞ちゃんは翼にお金を落とすためだけに働いている。

「1日も休まないで一日中働いて50万円です。稼げないなんて翼には絶対に言えない。3月末に翼のイベントがあったんです。ホストクラブの昇格祭。翼は幹部補佐から主任に上がった。シャンパンタワーを頼まれていて、楽しみにしているって。150万円がどうしても必要だった。一日も休まないで眠らないで働いたのに、全然足りなかった。どうしようってなって、闇金から30万円を借りました。25万円を2回返す契約でした」
「ホスト行けないなら死にます。だからコロナは怖くない」

24時間体制で待機しても、シャンパンタワーのお金は稼げなかった。焦って消費者金融をまわった。アコム、アイフル、プロミスと大手すべてに打診したが、職場の電話番号が書けないことで断られた。闇金に手を出した。

コロナでもどうしても月100万円以上のお金が必要

「翼にそんなこと言ったらがっかりされる。稼げないって思われたり、扱いが悪くなったりするのは絶対に嫌。でも、4月に入ってからは出稼ぎ保証3万円なんてとても出せないって店ばかり。いまの徳島県は保証なしです。今日は1人しかついてないから稼いだのは1万円だけ。寮に泊まったらもう赤字です」

コロナで全国の繁華街が壊滅状態になり、徹底的に稼げなくなったという。LINEにある小さな写真を眺めるかぎり、舞ちゃんはかわいらしい23歳だ。そんな子が24時間体制で働いても50万円しか稼げない。

「ホストに行くのをやめるとか? それだけはありえません」

語気を強めて言う。一般的には減収分の支出を減らせばいいだけだが、彼女は生活のためではなく、翼のために働いている。どうしても月100万円以上のお金が必要で、コロナ以降、無理して働き続けて結果が出ないことで少し病んでいるようだった。