いまのところ、「日銀の保有国債は発行額の49.2%」という事実は、海外はもちろん、国内でもほとんど注目されていない。しかし、4月末時点でさらに増え、日銀の国債保有額は492.7兆円となった。
国債発行額985兆円以上で50%を越える。4月の国債発行額の数字が出ると、世界に衝撃が走る可能性もある。「中央銀行が保有国債の半分以上を保有! 日本の財政は実質破綻している」と。
「財政ファイナンス相場」株高に目を奪われてはいけない
世界中の長期金利が財政ファイナンス相場で上昇するとしたら、日銀がゼロ近辺に長期金利を抑えきれるとは到底思えない。そもそも「長期金利は中央銀行がコントロール出来ない」が昔の金融界の常識。日銀のホームページにもそう書いてあった。
世界中の投資家が日本国債先物を使って売ってくる。最近、裁定取引で唯一、日銀以外に国債の買い増しをしていた外国人も、競って売りを出すだろう。日本人投資家も倒産は避けたいから他人より先に売ろうとする。市場はパニックになり日銀は大きく債務超過だ。
そうなると円の暴落、円の紙くず化のリスクが顕在化してくる。もしくは、円下落→長期金利上昇→さらなる円の暴落、という筋書きの可能性もある。たとえ、そのときに衝撃が走らなくても、日本の財政ファイナンスは今後、世界の注目トピックになっていくと思われる。
皆さんに是非、お伝えしておきたい。「シートベルトをお締めください」と。