元テレ朝スタッフが語るテレ朝の本当の闇

実は筆者はかつて、テレビ朝日のスタッフとして同局の業務に携わっていた。

当時、テレビ局外でよく耳にしたのが「テレビ朝日は左寄り」「玉川徹アナはなぜあそこまで現政権にケンカ腰なのか」といったことだ。だが、同局の中にいた身として、正直にその内実を語るならば、テレビ朝日はそこまで大きなイデオロギーを持っているわけではないと結論付けたい。

では、なぜ玉川徹氏はここまで問題発言をしてしまうのか。彼に近い場所にいた身として、玉川徹氏をめぐる問題を整理したい。

まず、よく耳にする世間のメディアに抱く誤解として、テレビ局各局が持つイデオロギーについての見解を述べたい。日本のマスコミは先進諸国と比べるととても特殊で、新聞社とテレビ局、ラジオ局がそれぞれ株式を保有してグループ会社化する「クロスオーナーシップ」と呼ばれる制度下に置かれている。

クロスオーナーシップ、イデオロギーは正直無縁

たとえば、フジテレビ、ニッポン放送、産経新聞社はフジサンケイグループという同じグループに属しており、そのため各メディアで独立性が保たれておらず、さらに互いの利害関係下に置かれているため“自由な報道”ができないという批判だ。

むろん、この批判は正鵠せいこくを射ているとも言えるが、その一方で中にいた身としては、やや言いすぎな意見でもある。というのも「朝日は左」「産経は右」などとよく言われるが、それはクロスオーナーシップの関連企業すべてに適用されているわけではないからだ。

特に朝日新聞とクロスオーナーシップ関係にあるテレビ朝日、そして同局の玉川徹氏が出演する「モーニングショー」もその例外ではない。「テレビ朝日は政権に批判的」という声を、SNSを中心に耳にするが、その“陰謀論”は間違いだ。玉川氏が自由に放言していると言われているが、それはあくまで同局の番組制作チームが、ある程度玉川氏に発言を自由に任せているだけにすぎない。