なぜ欧米は日本を冷やかな目でみるのか

緊急事態宣言の解除の会見で、安倍首相は「日本モデルで感染拡大を抑え込んだ!」とうれしそうに述べました。また、小池都知事は「自粛要請で感染拡大を抑え込んだら、日本モデルとして歴史に名を残すだろう」と誇らしげに語るようすをメディアが報道しました。それに呼応するように、SNSでは「これが日本人の民度だ!」と自国を誇る声も見られます。

歓喜の声に湧く国内に比べて、海外メディアは冷ややかな反応を見せています。拙記事でも述べたとおり、海外は日本の成功を手放しで褒めていないのです。被害者を抑え込んだことは認めつつ、「何もかもが間違った対応にもかかわらず、奇妙な成功を収めた」とむしろ疑わしいものを見るまなざしが向けられているのです。

手を洗う女性
写真=iStock.com/monzenmachi
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そもそも、「日本と欧米を比較」が正しいのでしょうか? 日本はGDP規模が世界3位の先進国であり、G7メンバーです。「先進国における新型コロナの被害状況」ということで、米国や欧州などとの水平比較がなされます。米国メディアなども「先進国の中で唯一感染を抑え込んだ」と報道していることからもわかります。