頭がいい人は、日々、何を食べているのか――東大医学部卒の医師たちが、自らの食生活に基づき、科学的見地からお勧めの食品を解説する。

納豆卵かけご飯は最強の頭脳食

英語を学ぶなら、脳を元気に働かせることが効率アップの秘訣だろう。

典型的な和食の朝食、昼食
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近年「コリン」という栄養素が脳によいと注目されていたのだが、2019年、世界トップレベルの米臨床栄養学会雑誌『アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション』にその効果が発表された。

東フィンランド大学らが42~60歳の認知症のない男性2497人を対象に「コリン摂取と認知症リスク発症」を調べると、コリンの摂取が多いほど認知症発症リスクが低下し、また「記憶機能のパフォーマンスが向上する」という結果だったのだ。日本臨床栄養学会幹事の板倉弘重医師(品川イーストワンメディカルクリニック院長)が解説する。

「非常に大事な論文発表です。コリンは脳にとって2つの重要な要素があり、1つは認知症患者の脳内で減少する神経伝達物質『アセチルコリン』を生成するもとになります。コリンを摂取すると記憶力や注意力を保つ作用があるんです。もう1つは、親からの遺伝ではなく、後天的な食生活の影響で人の遺伝子が変異し、糖尿病やがんなどの病気になる面がありますが、コリンはその遺伝子変異を抑える働きがあると期待されています」