トラック運転手にとって唯一の「町中のオアシス」

そんな中、トラックドライバーたちにとって、唯一「町中のオアシス」となるのが、「駐車場に大型トラック専用レーンを設置しているコンビニ」だ。都心にはほとんど存在しないが、駐車場のスペースが広く取れる郊外や、高速道路の入口付近などでは、目にすることがある。

誰の邪魔にもならず、トイレや温かい食事にまでありつけるのは、精神的にも肉体的にも疲労感が全く違う。数年前までは、多くのコンビニが「大型トラックお断り」だったことを考えると、こうした変化はドライバーにとっては大変ありがたい。

だが、トラックが路上で邪魔者扱いされないようになるまでには、まだまだその数は足りていない。いや、「足りていない」というよりは、クルマの通りが少なく車線も多い郊外よりも、交通量が多く、狭い道が入り組む都心や住宅街近くにこそ欲しい場所、といったほうが正しいのかもしれない。

しかし、そんな彼らの弊害になるのが、大型車専用レーンに駐車する乗用車の存在。徹夜明け、運よく見つけた「駐車できるコンビニ」で、同レーンに収まる一般車に気付いた時の落胆度合は、後ろに積んだどんな荷物よりも重い。

路駐するトラックに遭遇するたび思うこと

スピードは出すな。途中休みも取れ。でも遅れるな。早く着いても近くで待つな。

もちろん、他車の迷惑になる行為は決して許されることではないが、述べてきたように、トラックの世界にはドライバーが無意識に起こしてしまうマナー違反や、マナー違反だと知っていてもどうすることもできない、こうした「日本社会全体の構図」が存在する。

改正道路交通法により、街にはコインパーキングが急増し、路上駐車する乗用車は劇的に減少した。が、そのコインパーキングのほとんどは、大型車仕様にはなっていない。

我々の生活を下支えするトラック。彼らを厳しく追及したり取り締まったりする前に、その存在を含めた環境を構築する必要があると、路駐するトラックに遭遇するたび思うのだ。

なぜハンドルに足を上げて休憩するのか

他の一般ドライバーからしてみれば、「路駐のトラック」はただの邪魔でしかなく、その存在だけでも大きなストレスになるというのに、その車内のドライバーがハンドルに足を上げてふてぶてしく休んでいる姿まで目に入ってくれば、イライラはさらに募ることだろう。

長距離を走るほとんどの大型トラックの座席後部には、大人一人分の「ベッドスペース」がある。決して広いとは言えないものの、大柄な男性でも、横になって睡眠を取るには足りる空間だ。が、それでも彼らは、敢えてあのような足を上げた体勢で休憩を取ることがある。

その理由は、「不規則な休憩時間」にある。彼らが取れる休憩時間のタイミングや長さは、とにかく悪く、そして短い。

荷主の元で数時間かけて荷積みをし、搬入先に向けて夜の暗闇をひた走る。ようやく気分が乗ってきたところで、先にも紹介した「4時間連続走行で30分の休憩」を取るタイミングとなり、先を急ぎたい気持ちを抑えて駐車場所を探し、クルマを停める。

途中、事故渋滞や交通規制に巻き込まれれば、タイトな時間との戦いに気を揉み、搬入先付近に到着する頃には、睡魔も疲労も限界。が、それらを解消できるほどの休憩を取れないまま、搬入先での荷降ろしの時間がやってくるのだ。