家賃の口座振替に潜む危険

【太田垣】何かしら仕事をしているなど、社会との接点があれば、誰かが気づいてくれる可能性は高いでしょうが、仕事も特にしてない、隣近所との付き合いもないという方は、万が一のことがあってもなかなか発見されなかったりしますよね。

【熊切】そうそう。家賃って口座振替されるから、年金が入ってくる口座から毎月きちんと引き落とされてたりすると、滞納もないからこっちも気づきようがないんですよ。

【太田垣】一時期、親族が死亡届を出さず、延々年金を受け取ってる人がいるって問題になったじゃないですか。

【熊切】ああ、ありましたね。

【太田垣】その時、私が管理顧問をしている管理会社さんと一度きちんと入居者の年齢を洗い出してみましょうってことになったんですね。それで、中に94歳になっている方がいて、念の為確認に行ったら、もう人が住んでる気配じゃないんですよ。もう埃まみれだし、ドアももう何年も開けてないでしょ? って感じで。お身内もいないということで、警察の方に安否確認で中に入ってもらったら……。

ミイラ化した遺体に遭遇してしまった

【熊切】もう嫌な予感しかしないですね。

【太田垣】そう。もうミイラ化したご遺体を発見されたんです。

【熊切】かなり時間が経ってたんですね。

【太田垣】4年くらい経ってたみたいです。ミイラ化してたせいで、全く臭いはなかったんですけど。

【熊切】そこまでくると臭わないんですかね。

【太田垣】聞いた話だと、胃の中に物が残っているとそこから腐敗していくらしいんですよね。胃の中が空っぽだったりすると、そのままミイラ化して、ほとんど臭わないこともあるそうなんです。

【熊切】そうなるとなかなか発見は難しいですよね。孤独死って、周囲の住民の方から「変な臭いがする」というクレームが入って気づくことが多いですから。

【太田垣】あれは独特ですもんね。