「頭がいい」とは「目的意識がはっきりしている」こと

「でも、勉強してなかったからその成績だったんでしょ?」

と言われるのですが、そんなことはありません。ちゃんと、まじめに、毎日机に向かって一生懸命勉強していたのですが、全然成績が上がらなかったのです。

じゃあ、そんなバカだった時の自分と、東大に受かる勉強をしていた自分と、どういう違いがあるのか?

その答えは非常にシンプルで、「目的意識の差」です。

例えば数学の勉強をする前に、

▼数学の勉強を今日はやろう!

と考えている状態では、絶対に成績は上がりません。この意識で勉強・仕事をしている人間は必ず結果を出すことはできないのです。

東大生は、こんな状態で勉強を行うことはありません。

▼数学の問題集の、このページからこのページまでを終わらせよう
▼数学のこの分野の勉強の、基礎をしっかり復習しよう

といった具合に、目的がはっきりしている状態になってから初めて「よし、じゃあこの目的を達成するために頑張ろう!」と考えるのです。

はじめの問いに対する回答、「頭がいい」状態というのは、僕は「目的意識がしっかりしている状態」のことだと思います。記憶力とか思考力とか判断力とか、そういう能力以前の問題で、「自分は何をするべきなのか」をはっきりさせることができる人間というのは、結果を出し、目的を達成でき、当意即妙な返しのできる「頭のいい」人なのです。東大生は、これが優れているのです。

目的がしっかりしていると結果に差が出る

もう少し詳しくお話しします。

目的の違いというのは、結果に対して大きな「差」を生みます。

例えば、「数学の勉強を今日はやろう!」と考えている状態だと、何が達成されればその勉強が終わるのか全然わからないですよね。100問解いても「やった」ことになるし、たった1問解いても「やった」ことになってしまいます。進捗がどれくらいだったかにかかわらず、「今日はなんとなく勉強したなー」となんとなく思って終わってしまいます。

その点、「このページからこのページを終わらせよう」と考えている状態だと、達成されるべきことが明確なので、進捗がどれくらいなのかがすぐわかります。「10ページか。もう2ページは終わらせたかったな、明日はもっと頑張らなきゃ」と、次につながるようになるのです。

これは、勉強に限った話ではありません。会議をするときでも、「今日の会議のゴールは何か」「何を話し合うために集まっていて、何が達成されればクリアなのか」ということをしっかり考えたほうが、「なんかよくわかんないけど、今日はこんな話について語ろうぜ!」とふわっとした会議をするよりも何倍も効率的なのです。

僕は東大の団体で会議を主催することが頻繁にあるのですが、その度に「仕切りが悪い」「もっと会議のゴールをしっかり決めてから会話をするべきだ」と東大生に怒られてしまっています(笑)。