吉本新喜劇を見て笑いの実証実験
私は「笑い」に関する医学的な研究を、近畿大学、吉本興業、オムロン、NTT西日本と共同で行いました。
2017年2~3月に実施、20~60代の男女20人に2週間ごと計3回、吉本新喜劇などを観て笑顔になった回数を表情判別機器で測定するというものです。
結果として不安感や抑うつ気分、痛みなどに対する良い変化が見られました。笑顔は、無理してつくったものでも一定の効果があるとされています。
「笑い」の効果に関しては、アメリカのジャーナリスト、ノーマン・カズンズの著書『笑いと治癒力』が、笑いのもたらす効果に注目を集めるきっかけになったと思います。
それまで「笑い」が特定の症状を和らげる効果について、一般的には認識されていませんでした。
カズンズは、すごく強い痛みの出る「強直性脊椎炎」という病気を患っていました。治療が難しい病気と宣言されたカズンズは、2つの治療法を選択しました。ひとつはビタミンCの大量投与。
そしてもうひとつが「笑いまくる」ことです。笑っているときは痛みがすごく和らいでいると感じたことがきっかけとなり、本にまとめたそうです。