さらに、男性ホルモンをつくる過程で出てくる「DHEA-S(デヒドロエピアンドロステロンサルフェート)」というホルモンが微増し、肥満、糖尿病、動脈硬化、記憶維持、骨粗鬆症などに有益な作用をもたらすとされています。最近では、生活習慣病や老化の分野でも注目されています。
ほかにも、ストレスで働きが鈍った心血管機能を早く回復するという報告もあります。
一方、ネガティブな感情が長期間続くと、免疫系などに悪影響を及ぼす可能性があります。
ネガティブの範囲は個人の受け取り方によって変わってきますが、大枠で言うと「悲観的感情」が続くことを指します。悲観的な状態が続くと、免疫系に関わっているT細胞というリンパ球の働きが悪くなり、病気にかかりやすくなります。
コンタクトがずれるほどの大爆笑
「笑い」や「ポジティブな興味」は、痛みだけでなく怒りや不安、うつな気分を和らげたりすることもできます。また、個人差はありますが、血圧が下がる人もいます。ほかにも、心筋梗塞のリスク軽減、呼吸器機能の改善、血糖値を下げるなどが挙げられます。
思いきり笑えば血圧は上がりそうですが、興奮は一時的で、その後から自律神経が落ち着き、リラックスできます。
「1日何分笑えば健康になれる!」と言ってさしあげたいところですが、残念ながら、これに関してはまだ根拠が示せないのが現状です。
また、笑うときの声にも良い効果があります。
誰かと笑ったり、誰かの笑い声が聞こえたりするだけでも、社会との関わりを感じられ、アイデンティティを高められます。肯定的な感情が高まり、否定的な感情が減っていきますので、円滑なコミュニケーションにもつながります。
私自身の「笑い」体験からすると、やはり吉本新喜劇のような「生の笑い」で感じる気持ち良さは格別です。
「笑い」は拡散する力がすごいですよね。そこまで面白いと思っていなくても、隣の人が笑っていたら反射的に笑ってしまう。
日ごろ腹を抱えて笑うことが少ない私ですが、吉本新喜劇を見たときはコンタクトがずれるほど大笑いしました。
また、手を叩きながら笑う人もいます。あれも拡散させる方法のひとつだと思います。手を叩くほどおかしいとビジュアルで伝え、共有しようとしているのではないでしょうか。ただ、盛り上げるために意図して手を叩くこともあるので、「笑い」ほど拡散させる力はないかもしれません。
笑う習慣がない人は、笑えそうな場所へ行ったり、日々のルーティンに力を抜く時間をつくるとよいでしょう。ポジティブで面白いことを見つけられるようになると、笑う感情を持つ機会が生まれやすくなると思います。
ゲラゲラ大笑いすれば、細胞レベルでプラスになる