2019年度の東大合格数ベスト30の学校のうち、17校が男子校だった。なぜ、男子校は強いのか。中学受験塾代表の矢野耕平氏は「開成・麻布・武蔵の男子御三家の存在をおびやかす男子校が首都圏に増えてきました。その一方、凋落傾向にある学校もあり、男性校の勢力図は常に変化している」という——。
東京大学合格実績ベスト30のうち男子校は17校
毎年春になると「男子校」が脚光を浴びる。週刊誌が毎号のように「高校別大学合格実績」を特集するからである。とりわけ読者や世間が注視するのは、東京大学の合格者数だ。例えば、2019年度の「東京大学合格実績(ベスト30)一覧」は1位の開成から5位の灘まで、すべて男子校だ。
ベスト30のうち男子校は17校で、57%を占めることになる。文部科学省の学校基本調査によると、全国の高等学校における男子校の割合は2%台。最も多くの男子校が集中する東京都でも、私立中学校のうち、男子校の割合は約17%である(平成29年度・東京都私立中学高等学校協会調査による)。
2019年度の東京大学合格者における女子の割合が17.4%だったことを考えても、絶対数の少ない男子校の存在感は大きい。なぜ男子校は、難関大学入試に強いのだろうか。