お坊さんや地元の名士も脳が疲れやすい

それと、学校の先生以外では、お寺のお坊さん、官公庁の役人の方々、あと、地元ではちょっと名の知られた名士のような立場の方にも、脳疲労・脳過労やうつ病が多い傾向があります。

みなさん、これらの職業・肩書きの共通項はいったい何だと思いますか?

それは「社会の範となるべき職業」である点です。学校の先生も、お坊さんや役人も、地域社会の中では人々から尊敬される立場であり、日々モラルと規律をしっかり守り、人々の模範となって行動していかなくてはならない職業ですよね。

言わば、常に周りから聖人君子であることを求められるポジション。こうした立場だと、当の本人も「先生たるもの○○でなければならない」「公務員たるもの○○でなければならない」といった考えに縛られがちになります。

すなわち、自分の思考や行動を「身動きのしにくい窮屈な状態」に縛りつけてしまうようになる。これにより、いっそうストレスをため込みやすくなってしまうわけです。

ハメをはずしにくいので、よりストレスがたまる

しかも、こうした立場の方々にたいへん不利なのは、ハメをはずすことがしにくい点です。

普通のサラリーマンなら、ストレスがたまればパーッと飲んだりカラオケで歌いまくったりして発散しようとするのでしょうが、学校の先生やお坊さんなどの「尊敬される職業」の人は、周りの人の目を気にしてしまってなかなかハメをはずすことができません。とくに地方の場合、「○○先生、繁華街のスナックで酔っぱらってたよ」なんていううわさがすぐに広まりかねないのです。

そのため、あれこれのストレスを発散することもできず、問題を自分ひとりで抱え込んだまま心身を疲弊させて、どんどん追い詰められていってしまうわけですね。

だから、学校の先生、お坊さん、お役人などの「ハメをはずせない職業」「社会の範でなければならない職業」の人は、ストレスで脳を疲弊させてしまわないようにご用心ください。もちろん、これらの職業ではなくても、自分を縛りがちでなおかつストレス発散がヘタな人は、十分注意する必要があるでしょう。