高さを「引き算」して、寝返りをうつこと

このように、寝たときに正しい姿勢を保つためには、本来隙間が必要になりますね。寝たときにも直立と同じように正しい姿勢を保つことができれば、背骨(頸椎・胸椎・腰椎)が本来の正しい状態になるため、背骨にも筋肉にも負担が少なくなります。

後頭部と壁や床との隙間は、それほど広くありません。これが高い枕が良いわけではない理由です。まずは、枕の高さを「引き算」しましょう。

2つ目の基準は「寝返りを簡単にうつことができる高さ」です。寝返りは、自然な整体とも言われています。寝返りをうつことは、体の歪みを整えたり、筋肉の疲労をとったりする効果があります。

そのため、寝返りをうたないと、歪みもとれないし、筋肉も動かないので、寝ているはずなのに疲労することになってしまうのです。寝返りがうちやすいものが良いということは、オーダーメイドの枕に多い真ん中がへこんでいる枕は、良くない枕と言えるでしょう。

自分に合った枕は、バスタオルを使うと選びやすくなります。バスタオルを使用すると、幅や奥行きを自分の好きなようにアレンジができます。バスタオルを互い違いに折っていくと、厚みを少しずつ積み重ねることになるので、段階的な高さの調節が可能なのです。そのバスタオルを折り重ねた枕の上に寝てみましょう。まずは、仰向け(上向き)で寝てみて、違和感がない高さを探してください。

高価でオーダーメードだから良いとは限らない

それから、左右に寝返りをコロコロとうってみてください。横を向いたときに、首がガクンと折れてしまうと低すぎるかもしれません。一番寝返りがうちやすい高さを探して、調節してみてください。仰向けでも違和感がなく、さらに寝返りがうちやすい高さが、ちょうど良い高さとなります。

またオーダーメイドの枕を購入した方のなかには「計測してもらったのに全然合わない」という方がいらっしゃいますが、それは計測したときの寝床と、家で寝ているときの寝床の硬さが違うからです。せっかく高い金額を出してオーダーメイドしたのに自分に合わないという、ちぐはぐな状態となってしまうのです。

自分に合っていれば、高価な枕ではなく、安いバスタオルや枕でも十分です。価格の高い枕が良い枕という先入観をなくして、思い切って枕の価格を「引き算」してみましょう。

自分に合った高さの枕を選ぼう
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