「読解力」ならAIに負けないはずなのに……

新井紀子『AIに負けない子どもを育てる』(東洋経済新報社)

第16位『AIに負けない子どもを育てる』にもご注目ください。発行部数30万部を記録したベストセラー『AI vs.教科書が読めない子どもたち』の著者、新井紀子氏による待望の続編です。

いまある仕事の多くは、今後AIに代替されていくと予想されていますが、AIにも弱点があります。それは「読解力」です。ところが新井氏の調査によると、大人でも、小中学校の教科書レベルの読解力を備えていない人が多かったそうです。

残念ながらいまの教育が続くかぎり、読解力の向上は見込めません。AI時代を生き抜くための「読解力」は、どのような教育によって身につくのか――。本書ではAI時代における教育のあるべき姿と、具体的な改善方法が提言されています。教育に携わる方にはもちろんのこと、いつまでも新しいことを学んでいきたい方にとっても、得るものは大きいです。

イノベーションに有利なのは「中小企業」

永井俊輔『市場を変えろ 既存産業で奇跡を起こす経営戦略』(かんき出版)

最後にご紹介するのは第17位『市場を変えろ』。近年では事業継承できず、やむなく廃業する中小企業が増えており、これが日本経済の低迷の一因になっていると言われています。こうした企業が力強さを取り戻せば、日本の未来はガラッと変わるかもしれません。

本書がユニークなのは、イノベーションで最も有利なポジションにいるのは、スタートアップでも大企業でもなく、成熟市場にいる中小企業だと指摘しているところです。中小企業の持つレガシー(伝統的なマーケット)に新しいアイデアやテクノロジーを導入し、収益性を高めるためには、どうすればいいのか。その具体的なノウハウが詰まっています。

成熟産業の企業を率いる経営者や社員が、夢の続きを描き、実現するための戦略を学ぶうえで、参考になることは間違いありません。また大企業やベンチャーで働く方にとっても、大いに鼓舞される一冊でしょう。

先月に引き続き月間ランキング入りしたのは、『自分の価値を最大にする ハーバードの心理学講義』(第13位)と『転職と副業のかけ算』(第20位)の2冊でした。来月のランキングはどうなるのか、引き続き注目です。

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