爆発的ヒットはどうすれば生まれるのか。「¥マネーの虎」の生みの親・日本テレビの栗原甚氏が、初の著書『すごい準備』(アスコム)の出版を記念し、数々のベストセラーを手がけてきた幻冬舎の箕輪厚介氏と対談した——。(第1回)

セックスの最中も企画のことを考えられるか

幻冬舎の箕輪厚介氏と日本テレビの栗原甚氏
撮影=小野田 陽一
幻冬舎の箕輪厚介氏(写真左)と日本テレビの栗原甚氏(写真右)

【箕輪】僕、「¥マネーの虎」が死ぬほど好きでした。今回対談が決まって、さっそく栗原さんの『すごい準備』もダウンロードして読みました。どうして「準備」をテーマにしたんですか。ちょっと意外です。

【栗原】最初は「企画術」をイメージしていました。でも、編集者から「企画術は売れない」と言われてね(笑)。とりあえず過去の仕事を振り返ってみたら、企画を考えたり実現するために、自分がものすごく下調べをしたり段取りを組んでいたことに気づきました。たとえば特番が終わると、もうその瞬間から来年の特番を考えはじめている。それで、ああ、企画は「準備」だなと。

【箕輪】僕は段取りをきちんと組むより、むしろ「いまやっちゃおうよ」というタイプです。でも、栗原さんと同じで、頭の中では動き出す前からずっと何か考えています。そういう意味では延々と「準備」しているのかも。

【栗原】ものをつくる人は、コンビニじゃないけど24時間営業でしょう。変な話だけど、ある先輩女性ディレクターは、彼とセックスしている間も企画のことを考えてるって言ってたよ。それを聞いて、絶対にディレクターとは結婚したくないと思ったけど……(苦笑)。